【短編】ing

「思ったより、席近かったんだね」

―――私、ホントに杉谷君しか見えてなかったんだな~…


耕士君に話しかけながら、そんなことを思う自分がいた。


「僕は知ってたよ?
けど貴絵ちゃんは真面目だからさ。
いっつも前ばっかり見てたみたいだし?」



そこまで見られていたのか、と、恥ずかしくなった。
けど、真面目だからじゃない。

前の席が杉谷君だからだ。


「そうかな?
私って真面目に見える??」

「うん。見えるよ?」