「遅刻するから、学校行くね」


ママがなんかを聞きそうにしてたけど、さらっとかわして家を出た。

家から一歩、二歩、……家から遠くなるほど、学校に近くなるほど、足が重い。


恋ってすごいな…。
些細なことで、私の気持ちがこんなに変わるなんて………。

学校が楽しくなるのも、つまらなくなるのも、杉谷君次第だなんて。

杉谷君、すごいなぁ……


そんなこと考えてたら、あっという間に学校に着いてしまった。

教室まで行くのが億劫だ。