【短編】ing

そこに教室から、杉谷君が出てきて、ロッカーに寄りかかる私を見て、また笑った。


「松永さん、女子では身長高い方だって聞いたけど、ロッカーには収まりそうだね」


なんていうその笑顔が、今の私には眩しい。



その後、杉谷君は中央階段に向かって歩き始めた。

たった1日でこんなに杉谷君と話したのは初めてだったからか、
私の心臓は落ち着かなかった。
そんな杉谷君と今日はもうお別れか、なんて思ってると、彼は急に振り返った。


「教室で待っててくれる?」



夢かと思った。