電車を乗り継ぎ、大都会へたった一人でたどり着いた。
周りの建物が自分に降り注ぐ感じだった。
人は周りの目など気にせず自分の道を歩いていた。
『東京』
僕には憧れの街。
芸能人が活躍し、最先端のファッション、そして音楽。僕のテンションは最高潮に達していた。
しかし、一つだけ気がかりなことがあった。
それは、言葉を話すことができなかった。
言葉を発することができないのではない。
僕には訛りがあった。
東京駅のプラットホームに着いた途端に発した言葉は、
『あ~やっど着いだ』はっ、と驚きを隠しながらも口を掌で押さえてしまった。そして周りの人間すべて敵に思えるほど目を開き見渡した。
誰も見ていないのに赤くなっていたに違いない。
訛りは僕のネックだった。
自分自身はただ単にいつも、毎日、朝から晩まで数十年間使ってきた親しみのある言葉だと思っていたのに。
違うのだ。
イントネーションは平坦。語尾には、『べ』などを用いて、濁点が異常なくらいついているのが東京駅に着いて初めて気が付いた。
神奈川でも『べ』は、使われているがそんな可愛らしいものではない。こちトラ本気の田舎者だ。
僕は小さな人間なのだ。
周りの建物が自分に降り注ぐ感じだった。
人は周りの目など気にせず自分の道を歩いていた。
『東京』
僕には憧れの街。
芸能人が活躍し、最先端のファッション、そして音楽。僕のテンションは最高潮に達していた。
しかし、一つだけ気がかりなことがあった。
それは、言葉を話すことができなかった。
言葉を発することができないのではない。
僕には訛りがあった。
東京駅のプラットホームに着いた途端に発した言葉は、
『あ~やっど着いだ』はっ、と驚きを隠しながらも口を掌で押さえてしまった。そして周りの人間すべて敵に思えるほど目を開き見渡した。
誰も見ていないのに赤くなっていたに違いない。
訛りは僕のネックだった。
自分自身はただ単にいつも、毎日、朝から晩まで数十年間使ってきた親しみのある言葉だと思っていたのに。
違うのだ。
イントネーションは平坦。語尾には、『べ』などを用いて、濁点が異常なくらいついているのが東京駅に着いて初めて気が付いた。
神奈川でも『べ』は、使われているがそんな可愛らしいものではない。こちトラ本気の田舎者だ。
僕は小さな人間なのだ。
