「ヨル!今戻ってきた!」
「舞花さんは?!」
玄関でネオがそう叫ぶと
奥の部屋から慌ただしく
ヨルが顔をのぞかせた。
「…も、戻りました」
私はボソッとそう言うと
軽く頭を下げた。
「これはよかった、本当に安心しました」
ヨルはホッとしたそぶりをすると
玄関へと駆けつけた
「ネオが舞花さんを置いてきてしまったと言うものですからすごく心配していたのですよ」
ヨルは優しい瞳で私を見つめていた。
…ここでも、心配されてる。
私の胸がなんだか熱くなった。
「裏山に置いて行ってしまって本当悪かった」
ネオは申し訳なさそうにうつむいた
「私とネオがちょうど裏山に舞花さんを迎えに行こうとしていたら戻ってこられたので、正直驚きました」
「え?」
「あの裏山は本当に危険なんだ。だから君が無事で帰ってこれたのが正直信じられない…」
ヨルに続いて
ネオが深刻な顔をして言った。
「そんなに危険なところなの?」
じわじわと手に汗がにじむ。
「あぁ、能力の低い町の人間が1人であの裏山に行くと99%帰って来れない」
ネオが言った一言に
私は一瞬で凍りつきそうだった
