「…誰が行くかよ」



 バカにしたように笑って言う、クラスでの女王様的な存在の矢澤 唯。


 陽菜は、茶色く染まった髪の唯が苦手で、あまり関わりを持っておらず、下の名前すらうろ覚えだった。



「帰ろーっと」



 唯は、カバンを持ち、教室を出て行った。傍若無人にも見えるが、自我を持っていて、ある意味芯が真っ直ぐとした、そんな性格である。



 すると、唯の取り巻き二人が追いてかれたアヒルの子どもみたいに追いかける。



 クラスのみなは、唯たちが帰ると、放送で言っていたことが馬鹿らしくなってきたのか、帰ろうと支度を進めた。



 本当に、それで大丈夫かなぁ?
千春は真面目な性格なので、帰ろうとするクラスメイトを見ても、自分は動かなかった。




 ピンポンパンポーン───



『そろそろゲームが始まります。
2年B組の人は、既に参加されているので途中リタイアは認めません。
五分以内に、体育館へ来て下さい』



 相変わらず、担任が語り続けている。