千春は一瞬ボーッとしたが、すぐにハッとして俯いてしまった。
「どうしよう」
千春は、小さく震えながら言った。
「私…助けられなかった」
「ちぃ…」
「琴美と亜梨沙ちゃんは、私が殺したも同然だ…!」
千春は、陽菜たちが何を言っても口を開かなかった。
千春は、自責の念を抱いている。
(ちぃが、殺した訳じゃないのに)
真面目な性格は、このゲームで、相当、仇となっている。精神的に可笑しくなるのも時間の内だろう。
酷くやつれた様子で、焦点の合わない目は一点を見つめている。
『ゲームが、始まります。席順に並んでください』
千春は放送に反応し、ガタガタと震えた。今まで、感情を失ったかのように動かなかった彼女が、放送に畏怖している。震えながら、平均台に尻がくっついたように、離れない。
「…ちぃ?」
陽菜が声を掛けると、黙って立ち上がった。
そして、陽菜の肩を追い越して、ひとり、フラフラ、席順に並び始めたクラスメイトの元へと歩いた。


