先生と呼ばないで【完】




待ち合わせ場所に着くと、すでに八神君が来ていた。


長身にあのルックスだから、通りすがりの女の子達が見ている。



わー…やっぱり八神君目立つなぁ…


その時、八神君と目が合ってドキンと胸が高鳴った。


やだ…


忘れなきゃないのに…


私は一つ深呼吸をした。



……アレ?



確かにさっき目が合ったはずなのに、八神君は再び俯いてスマホに目を向けた。


気づいてない…?


そっと近づき、八神君の目の前に立ってみる。


すると、怪訝な表情で睨まれた。



「あ…あのッ…」



「え、その声…小春ちゃん!?」



八神君が驚いて私の事を指さす。


「シ――――!!」


私は慌てて八神君の口を手で塞いだ。



「声大きい!」



「わ、ごめん…てか…マジで驚き…」



私の事を笑いながらジロジロと見てくる。


恥ずかしくなって、逃げ出したくなった。