「オレと小春ちゃんがキスしたこと」
ドキッとした。
そんなこと…言えるはずないじゃない。
「………」
「知らないんだ?」
「……言うの…?」
「言わねーよっ…でもさ、その代わり一つお願いがあるんだけど」
彼の顔には、企みの秘められた笑みが浮かべられていた。
「何…?変な事じゃ…」
「オレの絵のモデルになってよ」
……へ?
モデル!?
「何言ってんの?」
「夏に東京でやる美術展に、絵を出すつもりだったんだけどさ、親父にまた絵を捨てられてて」
「えっ!?」
思わず大きな声を出してしまった。
八神君は平気な顔して笑っている。
「絵を捨てられた!?」



