先生と呼ばないで【完】




八神くんがそっと私の髪の毛に触れる。


「理沙とはあの日以来なんもないから…信じて。俺は小春ちゃんだけだから」


「信じるよ…」


切ない顔はなしだよ。


水族館デートの日を思い出しちゃう。もう…あんな思いはしたくない。


「カラオケだけ行ったら帰るから。小春ちゃんちに行きたい」


「え!?」



京平と別れた後、私は自分でアパートを借りた。


1Kの狭いアパートだけど、一人で住むには十分な広さだった。


「小春ちゃんのごはんが食いたい」


「うん…わかった!用意してるね」


「っしゃー!」


すごく喜んでいる。


こういうところが本当に可愛い。


「ほら!みんな待ってるんでしょ!?いっといで!」


「おう!じゃ、またあとで!」



満面の笑みで右手をあげ、その場を去っていく。


私、八神くんのこと信じる。



今もこれからもずっと。