先生と呼ばないで【完】



「もう…マジでずっと我慢してたよ。これからは思う存分抱きしめることができるんだな」


私も八神くんの背中に手を回す。


「もう私の事離さないで…」


「もちろん…」


私の事を優しく包み込み、頭を撫でてくれた。

すごく落ち着く…

私の方が年上なのに、これじゃあ逆だよ。


いつもそう…八神くんに教えてもらった事は沢山ある。


〝好き〟という気持ち。


逆境にも耐える強い心。


私も八神くんみたいな人になりたい。


そしたらもっと八神くんの役に立つことができるのかな…



「〝先生〟なんて学校以外で呼んじゃダメだよ。私すごく悲しかったんだから…」


「ん。わかった…。でも間違って学校でも小春ちゃんって呼びそうだけどね」


「それはマズイよ…先生たちも私達の事怪しんでいるし」


「でもいーじゃん?もう少しで卒業だし。周りにとやかく言われねぇよーな生徒になればいんだろ?」


「え?どういうこと?」


八神くんは私の肩に寄りかかり、にやっと笑っていた。


何か企んでいるのだろうか。


でも、彼が隣で笑っているから私はそれだけで幸せだった。


これからはずっと隣にいるからね…