「斉藤先生、これから絵を描いて生きていくには並大抵の努力じゃ無理だと思うんです」
「はい…」
「きっと辛いこともあるでしょう。辞めたいと言い出すことも…」
「いわねーよ」と八神くんが口を挟む。
「先の事なんてわからないじゃないか。もしも万が一…そうなったとしても、あなたはこの子のことを支えていけますか?」
「はい。その時は私が食べさせていきます!!」
すると、父親と八神くんが同時に吹き出した。
「こ、小春ちゃん…かっけぇ…」
「…あなたの熱意は伝わりました。初めて会った時から思っていましたよ。この時代には珍しい、熱血教師だってね」
「熱血教師…!!」と、八神くんが横で大笑いしている。
「あ、ありがとうございます…」
お礼をいう所なのかわからないけどとりあえず。
「不束な息子ですけど。これからもよろしく頼みますよ」
父親が笑って手を差し伸べてくれた。
「はいっっ!」
思わず両手でその手をぎゅっと握ると、横から八神くんが「握りすぎ!」と突っ込んだ。



