「斉藤先生。あなた本当にこの子でいいんですか?」
「え!?」
「あなたなら出会いも沢山あるでしょう。まだ高校生の隼人と交際するなんて物足りなくありませんか?」
「そんなことないです…私は八神くんがいいんです。この数か月、八神くんに会えなくて私の中が空っぽになってしまった感じがして。彼の笑顔と前向きな性格にすごく惹かれているんです。そしてあのイルカの絵にも…」
「ああ…あのBARに飾ってあるやつですか」
「ご存知だったんですか!?」
八神くんも初めて知ったのか、驚いた表情をしている。
「知ってましたよ。前に絵をやめるよう言ったときにね、その絵を見かけて。あれはお前と初めて水族館で見たイルカだったろう」
そう言って父親は八神くんの方を見た。
「覚えてたのかよ…」
「忘れるわけないだろ。あの日は…妻と離婚した日だったから」
「え!?」「え…」
八神くんと声が重なる。
離婚した日…だったの!?



