先生と呼ばないで【完】



私は八神君がオススメしてくれた海の幸のペスカトーレを頼んだ。


「小春ちゃんは、なんで先生になったの?」


食べている最中、突然そんな事を聞かれたから少し返答に困った。



「なんで……かぁ。なんでかな、特に憧れていた職業でもなかったんだ…でも大学に入って周りはどんどんやりたいこと見つけてるのに、私だけ見つけられなくて…そんな時、先輩だった京平が教師になっていたから色々話を聞いてるうちに教師もいいなって思うようになってきて…」


自分で言ってハッとした。


京平の名前を口に出してしまった。



「気にしねーよ?俺小春ちゃんの今までの事色々知りたいからさ、教えてよ」



八神君は頬杖をつきながら優しく笑っていた。


私より八神君の方がよっぽど大人だ。


余裕や思いやりもあって、高校生だとは思えない。



「八神君は…京平と私の事気にならないの…?」



「んー…本当の事言うと、すげー気になる。小春ちゃんが毎晩あいつと一緒にいんのかと思うと、イライラしてしょうがねぇ」