ノーチェ



……………



次の日、久々に貰えた休日にあたしは国道に車を走らせていた。


半年振りに運転した自車は感覚が戻るまで少し時間がかかる。

車に置いてあったCDも最新曲なんてなくて
仕方なく、一番お気に入りの洋楽を掛けて

うる覚えの道のりをひたすら走った。




…昨晩、百合子さんに渡されたメモを前に
悩んだ末、薫を送ったあのバーへ行く事にした。



『お願いします。』

あんな真剣な顔して頼まれてしまった以上、無視する事は出来ない。


それに、薫からの連絡がなければ
彼女はまたうちの花屋へ足を運ぶ気がする。

何があるのか、あたしには関係ないけれど
何だか面倒な事に巻き込まれそうで

車を走らせている最中、無意識に溜め息が出た。