ノーチェ



そんなあたしに気が付いたのか

「んな顔するなよ。会おうと思えばいつだって会えんだろ?」

そう言って、優しく笑う薫。



その言葉が
不安の波にさらわれそうなあたしを引き戻してくれた。

「…そうだよね、ごめんあたし…。」

「別に謝る事ねぇけど。」

ハハ、と笑って、薫があたしの頭を撫でる。


そのまま
あたしを通り過ぎて
薫は玄関へと向かった。

「薫!」

「ん?どした?」


呼び止めると
靴を履くのをやめた薫が不思議そうにあたしを見て首を傾げる。



「あ、あたしも行く!コンビニ行きたいから。」

「わかった。じゃあ、外で煙草吸ってる。」

「うん!すぐ行く!」


扉を開けて、外に出た薫を見届けたあたしは

寝起きのままのくしゃくしゃになった服を脱ぎ捨て、タンスから適当に服を引っ張り出した。