ノーチェ



両手で頬杖をついた菜月は甘えるようにあたしを見つめる。

子犬のように人懐っこい菜月に、啓介くんの苦労が垣間見えた。



「今日は無理。」

はぁ、と呆れたように予約簿を閉じてあたしは菜月に背を向ける。



「えーっ!何でよぉ!」

「今日予定あるんだってば。」

そう言いながら、予約のある花束作りに取り掛かった。



「何、予定って。」

「言わなかったっけ?薫の家の食事会に誘われてさ。」


ガーベラを手に取ると
あたしは次々に他の花を集めてゆく。



「食事会!?莉伊、薫くんと結婚するの!?」

菜月の言葉に、あたしの溜め息が深くてなる。



どうしてこの子はそうゆう発想しか出来ないのだろう。

啓介くん、大変だわ。