古ぼけたテーブルにラーメンが二つ置かれる。

少し遅れて、半チャーハンと餃子が薫の前に現われた。


そしてコショウを手にした薫はラーメンに思い切り振りかける。



それを見たあたしは

「…かけすぎじゃない?」

と割り箸を半分にして問い掛けた。



「そうか?」

「それじゃ、コショウラーメンだよ。」

「何だよ、それ。」


ハハ、と笑った薫は
コショウだらけのラーメンを割り箸で口に運ぶ。


チャーハンと餃子をちょこちょこつまみながらラーメンを食べる薫に
その細い体のどこにこんな食欲があるのかと考えたりする。


ちまちまとラーメンを食べて、あたしは店内をチラリと見渡した。


手書きのメニューに
ほんの少し斜めになったテーブル。

本棚には読み古したいつの時代かわからない漫画が無造作に山積みになってる。