「本当のこと聞いたら驚くだろうね彼女」

 まさかゆきちゃん自身が狙われてたなんてね。

「数日前に空き巣に入られたらしいんだよね。──持ってると思う?」

 ベリルはそれに若干、苦い表情を浮かべた。

「奴のやり口は巧妙だ。捨てさせるような事はしないだろう」

「だよね」

「目星は付いているのか」

「うん、大体」

 ダグラスたちは手当を終えて戻ってくる幸子を見つめてそちらに向き直った。