「若くない!?」

「あ~……。若く見えるだけだよ」

 実際はおじさんなんだから~と、へらへらしもって軽く手を振る。

「ホントに?」

「ホントホント」

 近づいてくる人物を待っていると、暗めのスーツを着た二人の男性が呼び止めた。

「あ、警察の人に捕まっちゃったな」

「大丈夫なの?」

「問題ないよ、軽く事情を訊いてるだけだろうから」

 ダグラスの師匠という人と私服警官らしい二人が並んでいる様子ではさほどの身長差は見受けられない。

 ということはあの人はそんなに背は高くないのだろうか。

 幸子はてっきり、もっとガタイのいいマッチョだと考えていただけに、目の前にいるすらりとした男性がとても傭兵だとは想像出来なかった。

 ともすれば、隣のダグラスよりも細いし小柄なのではないだろうか。