麗しい青年は名前をダグラスと名乗った。 「なに、襲われると思った? ごめんそういうつもりまったく無かったよ」 この人、会って早々に平気で失礼なことズケズケと言ってくれやがるわね。 別に襲って欲しい訳じゃないけど、そこまで否定されてもなんか切ないものがあるじゃないの。 運がいいと思った幸子は、とたんに不運だと考え直した。 それでも、整った横顔に思わず見とれてしまう。 つくづくだと自分に呆れるばかりだ。