最凶の天使

 大型だろうか、気がつけば暗めの緑に塗られたバイクが車と平行するように走っている。

 運転席側を走っているバイクはダグラスが見ている事を確認すると軽く手を挙げた。

「はいはい」

 青年は返事するようにつぶやくとステレオをいじり始めた。

 幸子は車を持っている訳ではないが友達の車にはよく乗せてもらうので多少はカーステレオについて知っているつもりだ。

 しかし、ダグラスのいじっているステレオには知らないボタンがいくつもあった。

 何かをはめ込むくぼみまで付いている。

<麓(ふもと)に警察車両と救急車両を呼んでいる>

「あ、サンキュ」

「えっ!?」

 車内に響く男の声に幸子はキョロキョロと見回した。