「な、仲間がいたの?」

 追ってこないかと後ろをちらちらと見ながらダグラスに問いかける。

 この車には後部座席もついていて、背後の壁には小さなガラス窓があった。

「ホントにいたんだねぇ」

「は!?」

「隙を作ろうかとカマをかけたらホントにいたよ」

 ケタケタと笑うダグラスに幸子は唖然とした。

 まさに開いた口がふさがらない、二の句が継げない。

 落ち着いた処でシートベルトを絞めるダグラスに幸子も慌ててそれに倣った。