「突然、巻き込まれて怖くてもどうしようも出来なくて、助けを求めてる人たちがいる」

 そんな人たちを救うためにベリルは活動しているんだ。

「それに賛同してくれる仲間たちがいて、初めて誰かを救う事が出来る」

 いきなり何を言い出すのかと、ダグラスを凝視した。

「どこにいたって誰かは何かに巻き込まれてる。それに嘆いたって自分を救えるのは自分だけなんだよ」

 救いに行く事が出来ても、最終的には己を奮い立たせて足を動かさなければそこから抜け出す事は出来ない。

「ゆきちゃんには、今がその時だ」

 ニッと口角を吊り上げてウインクした。