「俺が合図したら駐車場まで走って黒いピックアップトラックの助手席に乗り込んで」

 ここにいたっていつかは見つけられる。

「えぇっ!?」

 幸子は控えめに驚いた。

「そんなことして大丈夫なの!?」

 そんな映画のような展開に自分が陥るなんて軽いパニックになる。

「大丈夫だよ。あいつらが撃ってくるのは多分、俺にだけだ」

「うっ、撃ってくるって!? 拳銃とか使うってこと!? うそ、やだ。ピックアップトラックってどんな車?」

 泡を食いつつも尋ねた幸子にダグラスは若干、脱力した。

 やはり図太いと言わざるを得ない。