むしろ家族向けにしている分、山の手入れを欠かさない。

「この山は車道が沿っているから登山道以外の下山は難しいだろうね」

 降りてきた時に捕まえようとしているんだろう、こちらと違って向こうは人員の入れ替えが出来る。

 二十四時間態勢で張り付くに違いない。

「そんな──!?」

 今までの緩い雰囲気は一転、幸子は青ざめた。

 そんなとんでも兵器のために捕まって、もし捕まったらどうなるの何をされるの怖い。

 今更ながら、自分の置かれている立場に恐怖を覚えた。