「なにそれ」

「ベリルは有名な傭兵だったから、同時に名声の失墜も狙って俺を会わせた」

 一度話してしまうと気が楽になったのか、声に抵抗が薄れていく。

 子供を死なせ、作戦も失敗すれば彼のイメージが悪くなるのは必至だ。

「なんで、そんな──」

「親父は末期ガンだったみたいでさ、傭兵を引退して長かったけど俺やおふくろの事も重なっておかしくなったんだと思う」

「お母さんがなんで?」

 キョトンとしている幸子に眉を寄せる。

「俺おふくろから産まれたんだけど」

「……ああっ!? そういうことね」

 父親の本当の子供じゃないってことは──そうかそうか。