「むしのしらせ」
ダグラスは小さく念を押すようにつぶやきながら足を進めた。
トータル百メートルほど移動しただろうか、そこで一端止まると草むらに身を潜めた。
「ねえ、どういう意味?」
落ち着いたところで幸子が訪ねる。
「何が」
「むしのしらせって言ったわよね」
「ああ、日本のことわざじゃないよ」
本来の意味は悪い予感や第六感の事を差す。
「こういう山とか森だと、虫の鳴き声が他の生き物の場所を教えてくれてるからちゃんと聞いておけって言われたの」
「へえ……」
耳を澄ませても幸子にはよく解らなかったが、傭兵にしかない感性なんだろうかと妙に納得した。
ダグラスは小さく念を押すようにつぶやきながら足を進めた。
トータル百メートルほど移動しただろうか、そこで一端止まると草むらに身を潜めた。
「ねえ、どういう意味?」
落ち着いたところで幸子が訪ねる。
「何が」
「むしのしらせって言ったわよね」
「ああ、日本のことわざじゃないよ」
本来の意味は悪い予感や第六感の事を差す。
「こういう山とか森だと、虫の鳴き声が他の生き物の場所を教えてくれてるからちゃんと聞いておけって言われたの」
「へえ……」
耳を澄ませても幸子にはよく解らなかったが、傭兵にしかない感性なんだろうかと妙に納得した。