「え、本当に?」

「嘘なんか言ってどうすんの」

 顔をしかめて幸子を見やる。

「結婚詐欺とか」

「傭兵に憧れなんかあるの?」

「そういう特殊なものに女性は憧れたりするのよ」

「ふーん」

 なんだか小馬鹿にされたような表情に幸子は少々ムッとした。

「日本は平和だからかな」

「なによそれ」

「武器を持つことがないのはいいことだよ」

 素直な言葉に幸子はなんだか拍子抜けして、その柔らかな表情に思わず頬が赤らんだ。