「ちょっとした預かりものがあってね。それを渡すために来たんだけど、どうやらそれを欲しがってる連中がいるらしくてこんな状態」

 苦笑いを浮かべて肩をすくめた。

「預かりものってなに?」

 幸子が問いかけるとダグラスはしらばっくれるように視線を外した。

「それもだけど、あなた何をしてる人なの」

「知りたいの?」

 当然でしょと幸子は小さく頷く。

「ホントに?」

 早く言えよこのやろうと軽く睨みを利かせた。

「傭兵って解る?」

 幸子はそれに声もなく目を丸くした。