『…んたに、あんたに何が分かんのよ!』 勝手だって分かってるし、姫川斗真は何にも悪くない。こんな風に八つ当たりをする自分が情けない。 だけど姫川斗真はただ黙ってあたしが泣き止むまで隣にいてくれた。ただ、黙って…。 それからどのくらいの時間がたったかは分からない。だけど、もう日が暮れかけていた。 『あの…』 「ん?」 『ありがとう。』 「…あー、どういたしまして」 姫川斗真が気恥ずかしそうにそっぽを向いた。