佐倉に近寄ろうとした時… カラン、 足元にあった缶に気付かず蹴ってしまった。 佐倉はばっと俺の方を振り返った。 『あれ?南波君?…どうして?』 「や、ちょっと勉強に疲れて、息抜きにって…」 『そっか』 俺は静かに佐倉の隣に腰を下ろした。 黙ってただ2人で海を眺めていた。 『あの…』 佐倉が急に口をひらいた。 「何?」 『あの…』 佐倉の顔がみるみるうちに赤くなっていく。