「大丈夫か?」
『うん!南波君が来てくれたから』
そう言って微笑む佐倉の笑顔にドキドキした。
『えっと、じゃあ私もう行くね…?』
そう言って教室に戻っていこうとする佐倉の手を掴んでしまった。佐倉は振り返って俺を見た。
『…南波君?』
「えっと、あ、あのさ…」
急に黙り込む俺。
『どうしたの?』
心配そうに俺の顔をのぞき込んでくる。
今しかねーな!そう思った俺は、
「あのさ、俺、佐倉の事…」
キーンコーンカーンコーン
『あ、チャイム鳴っちゃったね、行こっか?南波君…』
「あ、ああ…」
くそ、もうちょっとだったのに!
俺の告白は虚しくもチャイムに邪魔された。

