〜もえside〜
限界だった。
2人の姿を見るともう我慢が出来なかった。
「もえ!」
斗真の大きな声が私の言葉を止める。
「出てってくんない?」
...っな、んで!
『斗真...』
「南、出てって」
その言葉は私に投げかけられた言葉じゃなくてその子に投げかけられた言葉だった。
斗真の言葉にその子はすぐに保健室を出ていった。
斗真の大きな手が私に伸びてくる。
私は伸びてくる手を払いのけた。
『さわらないで!あ、の子に...触れた手でさわんないで...』
「もえ...」
『...もう、...別れたい...、』
私の言葉に斗真は眉間にしわをよせた。
「それ本気で言ってんの?」
私は小さく頷く。

