「あの。先輩!」 姫川先輩がゆっくりと顔を上げる。 私の顔を見た瞬間びっくりしたような顔をした。 私から手を離し眉間に皺を寄せた。 「誰?」 「み、南もえです。」 「もえ?」 「はい。」 「何のよう?」 「いや、あの公介が事故にあったって…」 姫川先輩が急に慌てて立ち上がった。 「お前、あいつの彼女?」 焦ったように聞いてきた。