〜もえside〜 泣いちゃいダメだって分かってる。分かってるのに涙が止まらない。泣いてる私の腕を斗真が掴み引っ張った。 『ひっく…と、斗真…』 「行くぞ」 斗真の声が怒っているのが分かる。 『でも、公介が…』 「行くぞって言ってんだろ!」 斗真の怒鳴り声に私は抵抗をやめた。 斗真は私に目を向けないまま手を引っ張って病室を出た。そして斗真が、私の方を振り返る。