そんな俺の言葉を遮って…
「だって今の喧嘩だってもえちゃんが他の男と喋ってたから喧嘩になったんでしょ?」
その言葉に言い返すことができなかった。
だってその言葉通りだったから。
「言いたい事ためずに言いなよ?」
それでもえを困らせたりしねーか?
…でも、言わないでもえとギクシャクするより言ってスッキリしよう!
俺は走ってもえを探した。がどこにもいない。あいつどこに…っ、もしかして、俺は急いでその場所に向かった。
俺の向かった先は屋上だった。
思った通りもえは屋上にいた。
もえがおれに気づいた。
「も…」
『来ないで!』
「おい」
下を向いて震えた声で言う。
『来ないでよ…どうせ私の事面倒臭い女だって…我儘な女だって思ってるんでしょ?』
「何いって…」
『じゃあ!じゃあ、どうして怒るの?分かんないよ…』
もえの目にみるみるうちに涙がたまっていく。
その涙を拭い唇をかみしめる。

