グッとペンを持つ手に力が籠もる。




でも巻き髪女に対する怒りと悔しさで私の目からは涙が止まらない。






ほんと、何もかもあいつのせいだ……




七瀬 未羽………絶対に、







「「ぶっ潰す!」」








……………え?





どこからか私の声と被るように誰かの声が聞こえた。





驚いて辺りを見回すと私から見て左側の数メートル先に私と同じように電柱に身を隠している男子の姿が目に入った。



その男子も私の声に驚いたのか、目を大きくしてこちらを凝視している。







その男子は………



髪は黒髪の短髪。

しかしその顔は童顔で二重のくっきりした大きな目は子供特有のあどけなさを端的に示しているようだ。


体型は細身で身長はざっと見て166……男子の中で小柄な部類に入るってところか。






「誰、アンタ」






その男子はなぜか鋭い目つきで私を見ながらぶっきらぼうにそう言い放つ。



そして一歩、また一歩とゆっくりこちらへ近づいてきた。