「この部屋です。」

刑事の前には、信じられない光景があった。
窓も何も無い古びたコンクリートでできただけの部屋の床のど真ん中に、
しっかりと敷かれた敷き布団にガウンを着た体格の良い老人が、
あお向けに堂々と眠って居る。
刑事は言った。
「ぶっちゃけ死んでない…?」

「ほら!たまに伸びた髭をさわるんです!」

「死んでないね…でも何か…」

「そうなんです…近寄りずらいんです…」