お婆さんは調理場に居た。
「もうすぐ、作り終わるから。」

「お婆さん、聞きたい事があるんだが?」

「後にしてくれないか、それよりも飯の仕度ができたら自分達で持って行ってくれないか。私1人なんでね。」

お婆さんの作った料理は凄く美味しかった。
食べてから少し経つと、お婆さんは部屋に入って来て3人に言った。
「あんたら、こっちの世界の住人になり掛けているね。」

3人はその言葉の意味が解るはずも無かった。
「でもあんたらは多分、こっちの世界にふさわしくない人間だよ。」

3人は、何を言いだしているのかと思った。
「どういう事ですか?」

3人の疑問に佑桜が問いかける。
「この民宿は普通の世界の者、またはこっちの世界の住人以外の者は、来る事も見付ける事も出来ないんだよ。」

「でもあんたらの様子からして、この世界の住人でも、この世界にふさわしい人間でもないみたいだ。」

佑桜達は、東蔵山での出来事を考えると信じ難いが、どうも嘘を言っている様には聞こえなかった。