「放浪者前野は見付かった。捜索から二年掛かって。
だがその捜索をした仲間、横井(よこい)が東蔵山から消えたまま見付かっていない。
いきなりだが、俺は横井を見付けにこれから東蔵山へ、手掛かりを見付けに行こうと思う。それが、前野老人の事に繋がるかもしれない。」

後藤はそれを聞くと言った。
「祖父も一度東蔵山へ行き、今まで行方不明になっていました。私は祖父が何故そこへ向かったか知りたくなりました。
連れて行ってはくれませんか?」

続けて佐田も言う。
「僕はこの出来事にあまり関係が無いかもしれませんが、少しでも関わってしまった以上、最後まで協力させてくれませんか?」

佑桜は真剣に答える。「もしかしたらの仲間のように、何処かへ消えてしまうかも知れない…
でも思うんだ。偶然にも此処に来て、お前達に出会えた事で、二年前の真相を知る事ができるチャンスを貰う事ができたのだと。
佐田君と後藤さん、ありがたい。独りで行くのは正直心細かった。3人で東蔵山へ向かおう。」