空には、大きな満月が光り輝いていた。
その月明かりの下で、僕と吉田は対峙する。
「奈津美さんを放してもらおう。僕が来たのならば、既に彼女に用はあるまい」
「…よかろう」
吉田は奈津美さんを後ろ手に縛っていた縄を解き、その背中をトンと押してやる。
「……」
ヨロヨロと駆けてくる奈津美さん。
「怪我はないですか?」
僕が尋ねると、涙ぐんだまま、コクンと静かに頷いた。
…よかった、本当に良かった。
僕の落ち度で彼女に何かあったら、悔やむに悔やみきれないところだった。
「下がっていて下さい」
僕は振り向かず言った。
…ここからは、もう幕末の戦い。
この時代の人間は無関係だ。
最早言葉は必要ない。
語りたくばその刃で語れ。
吉田の鋭い眼光が、そう訴えていた。
◆◆◆◆◆
その月明かりの下で、僕と吉田は対峙する。
「奈津美さんを放してもらおう。僕が来たのならば、既に彼女に用はあるまい」
「…よかろう」
吉田は奈津美さんを後ろ手に縛っていた縄を解き、その背中をトンと押してやる。
「……」
ヨロヨロと駆けてくる奈津美さん。
「怪我はないですか?」
僕が尋ねると、涙ぐんだまま、コクンと静かに頷いた。
…よかった、本当に良かった。
僕の落ち度で彼女に何かあったら、悔やむに悔やみきれないところだった。
「下がっていて下さい」
僕は振り向かず言った。
…ここからは、もう幕末の戦い。
この時代の人間は無関係だ。
最早言葉は必要ない。
語りたくばその刃で語れ。
吉田の鋭い眼光が、そう訴えていた。
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