椿「あら、律ちゃん強いわね」
『………どうも』
これくらいで強いのか?
椿「次は私とね」
そう言って椿さんがあたしの前に立つ。
魅せられるようなオーラに包まれた。
………この人、強い。
そう思った一瞬、
椿さんが一気に間合いを詰めてきた。
………まだ、翼のほうが動きが早い。
スッと拳を避けて、間合いをとる。
すぐに長い脚が飛んで来たのでまた避けた。
椿「……そんなに避けないでよ」
だって当たると痛いし。
椿さんはとても楽しそうに喧嘩をしている。
…………やっぱ、早く終わらそう。
椿「………えっ」
今度はあたしが一気に間合いを詰め、気絶しない程度に回し蹴りを決めた。
『…これで終わりです』
椿「あなた、ホント強いわね」
少し痛がる椿さんの腕を掴んで立ち上がらせる。
ま、認めてもらえたのかな?
翼「ったく、喧嘩で終わらせるとは、律らしいな」
翼はあたしの頭を撫でて翔太さんを見つめた。
翼「これで文句ないだろ」
翔太「………あ、ああ」
怜子「…翼が大事にしてて喧嘩まで強いなんて、それだけで十分ね」
『…ありがとうございます』
認められたことが素直に嬉しかった。

