美子「……大したこともないクセに」
……………うぜぇ。
翼「(ボソッ)こら、殺気出すな」
無意識に出てたらしい殺気を翼に止められる。
いやー、だってさー、なにこの女。
『……では新川組のお嬢さん、失礼ですがお手合わせをお願いします』
美子「……っ、ええ、いいわよ」
椿「じゃ、あたしもいい?」
はっ?
それまで黙っていた女の人が面白そうに微笑んだ。
長く黒い髪とどこか翼に似た綺麗な顔立ち。
翼のお姉さんである椿さんだ。
一応、補足で言っておくと、
桜学園理事長の蒼空の奥さんだ。
翔太「お前、何言ってるんだ」
椿「いいじゃない。自分の男を守れるくらいの力と度胸がなきゃ、綾崎の姐は務まらないわ」
翔太「……はぁ、じゃ、中庭でも使え」
椿さんはどこか楽しそうにあたしに目を向けて微笑んだ。
椿「あなた、名前は?」
えー、名字言ったらバレるよな…
八神の力なんて利用したくないし。
『…………律です』
椿「じゃ、律ちゃんと新川組のお嬢さん、中庭に行きましょうか」
スッと立ち上がった椿さんの後を追う。
ホントに綺麗な人ね……
翼「律、本気出すなよ」
半ば呆れ気味に言われた。
分かってるって…

