暗闇に咲く花



律side


翼の見合いが始まって早数十分。
あたしは事前に教えてもらってた翼の部屋に待機していた。

どうやって監視の目をくぐり抜けたか?

ま、それは……ちょっとね、塀をひょいっと…


強行突破のほうがカッコよかったかな?

別に名前言えば顔パスで通れるけど。






少し折れたスカートを直す。

今日は制服……ま、学校帰りだ。

要するに学校バージョンの八神律なわけで、
顔パスするには少々不便だったのだ。


鞄から携帯を取り出す。



『…ん?烈からメール?』


from烈

律姉、暴れてもいいけど手加減してよ?





…………ハイ。


しますよ、手加減。
そんな暴れちゃダメでしょ。




烈のメールで気を引き締め直し、

『そろそろ行こっかな…』

戦う前の武者震いを感じながら、
八神にも負けない和風豪邸を進んだ。






『……あの部屋ね』


すぐに分かった客間の扉を勢いよく開けた。


━━━━ガラッ…