翔太「いやー、新川さんお久しぶりですね」
新川「今日はうちの娘を見合いの相手にしていただきありがとうございます」
目の前で繰り広げられる"オトナ"の会話。
結局は政略結婚と一緒みたいなもんだ。
それと………
「………翼さん、こんにちは」
意図的に作り上げられた上目遣いと声。
この女が仕組んだことだろうな。
椿「……そんな美人じゃねーな」
ボソッと隣で呟く声。
『…なんで姉貴までいんの?』
長い黒髪を揺らして相手を観察してるらしい。
いや、てかなんで姉貴まで…
椿「いちおー、私の妹になるかもだろ?いやーでもコレはないわ」
いやいや、本人の前だっての。
「えっ、あの……私」
椿「………うざっ」
なんか律が登場するまでもなく、
姉貴の攻撃で終わるんじゃね?
翔太「椿、やめろ」
椿「……チッ」
ダメだ、邪魔がいるわ。
「翼さんっ、私、新川美子って言います」
名前負けもいいとこじゃ……
とりあえず近寄ってくる女を軽くあしらって、
部屋の隅に避難した。

