少し泣き止んだあたしを翼が持ち上げる。
『…わっ、翼、歩けるよ?』
翼「……いいから」
結局抱えられたまま、部屋を出た。
翼の歩く方向で分かる。パパのところに連れていかれてる。
『……ちょっ』
あたしの静止を無視して翼が扉を開ける。
准「律ー!!!」
『…ぐぇ』
なんとも可愛げのない声が出た。
いきなり抱きつくのは止めてほしい。
………ってか、痛いから。
廉「アホか親父」
廉兄はそう言ってあたしを救出。
『廉兄!!!』
廉「…よく頑張ったな」
『……んっ』
廉兄にぎゅうっと抱きつく。
パパより廉兄優先だ。
准「律、ひどい……」
パパの隣でママはクスクス笑っている。
廉兄はあたしを持ったまま部屋の奥へ。
響、奏「「律!!!」」
雨宮兄弟が珍しくハモる。
烈「…律姉」
伊吹「律さぁん!!!」
伊吹に至っては既に号泣している。
『……皆、ありがとね』
一人一人抱きつくと何故か皆頭を撫でてくれた。
朝陽「……律ちゃん、無事で良かった」
夜月「…律ー!!!」
渉「………う~」
渉、コメントになってないけど。
『翠嵐の皆もありがとね』
そう言って、朝陽に飛びついてみた。
朝陽「うわっ、ちょっ……大丈夫なの?」
躊躇いがちに受け止めてくれる。
仲間は大丈夫だっての。
『…うん。仲間じゃん』
同じように夜月にもハグ。
夜月「ついに律が俺のものにっっ」
『なるわけないでしょ』
夜月「ガーン」
冷たく言い放ったあたしに皆が爆笑する。
ってか夜月、効果音って自分で言うものか?
泣きっぱなしの渉は優しく頭を撫でておいた。
あー、可愛い。