律side




『…………んっ』


ぼんやりと意識が覚醒し、
痛いのを我慢して瞼を開いた。



………あたしの部屋か。

ゆっくり周りを見回す。


手に感じた温かさはどうやら眠っている翼のようだ。
相当のケガをしたようで、腕は包帯やら、絆創膏やら湿布やら、たくさん貼られている。



……あんまり痛みは感じないんだけど。





翼「……………り、つ?」

あたしがモゾモゾ動いたのに気づいたのか、
翼の瞳があたしを捉えた。



『……翼』

そう彼の名を呼べば、
綺麗な顔を緩ませて微笑んだ。


翼「…大丈夫か?ケガ、痛くない?」


『…うん。あんまり痛くない』


翼「お前、丸2日眠ってたんだぞ」


おおう、マジか。
だからケガの痛みが少し引いてるのね。


『………ありがとね』


微笑んでくれた翼にあたしも笑顔を返した。