廉「………はぁ」
静かになった部屋で廉さんがゆっくりと息を吐いた。
目の前の背中はひたすら格好良くて、
自然と目を奪われる。
廉「……あとはお前だけだ」
俺たちが見据える先に1人佇む男。
男は鋭い目付きで睨んでくる。
あいつが須藤組の組長だろう。
男はニヤリと笑って、
…………ガチャ……
ゆっくり廉さんに銃口を向けた。
『………っ』
予想はしてたけど、
銃の登場は俺の身体を強張らせる。
組長「……殺してやる」
恐ろしい形相の組長に対しても、
廉さんは一切動じず睨み返す。
…………こんなとこで怯んでる場合じゃない。
グッと足に力を込めて、
廉さんの隣に立った。

