スタスタ歩いて、ドアノブに手をかけた。 「……休んどきな、翼」 え? 頭の中に声が響く。 あぁ、これ昨日の記憶だ。 不意に額に触れた冷たい手。 翼。 そう俺を呼んだ艶のある声。 フードの下から見える整った口元。 全身に電流が走った。 『……ま、さか』